戸建てを購入したら自治会・町内会は加入した方が良いの?元市役所職員の立場から解説!

ライフハック

みなさまこんにちは。

ご覧いただきありがとうございます。

みなさまは戸建派、マンション派、はたまた賃貸派、どちらでしょうか。

私は戸建派です。特に大きな理由はなく、実家がほうだったから、自分も戸建が良いと考えていました。

めちゃくちゃ安直ですが、そういう方も多いのではないでしょうか。

とはいえ人生で大きな買い物の一つでもある住宅です。より自分の理想を求めたいですよね。

住宅を取り巻く環境要因はたくさんありますが、今回は、戸建てを購入したら自治会・町内会は加入した方が良いのかを元公務員の立場から解説していきたいと思います。

ナコッタ
ナコッタ

元市役所職員が忖度なしで話していくぜぇ~

結論!自治会・町内会には別に入らなくてよい!!!

結論から申し上げますと、私は加入しなくてよいと考えています。

現代の社会構造や首都圏での生活スタイルを考えると、自治会・町内会は不必要だと思います。

想像してみてください。自分が今まで生活していて自治会・町内会サンキュー!となったことはありますか。私は首都圏に住んでいるので、もしかしたら地方によっては、そう感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも私はそこに住む者として恩恵を感じたことがありません。

市役所に勤めていた時も自治会・町内会に関するクレームがたくさん受けました。自治会・町内会長は話が通じない。ゴミを捨てるなと言われた。回覧が回らない。自治会・町内会費が高すぎる。自治会・費の使途がわからない。役員をやりたくない。無理やりやらされた。〇〇さんの家の犬がうるさい。というか〇〇がうざい。

個人と公が入り混じるような内容が多かった印象でした。しかも、市役所としては、自治会・町内会はあくまで任意団体であり下部組織でもなんでもないので、基本的には「大変ですね。」ぐらいしか言えません。ただ、一部市の業務を受け持ってもらっている関係で自治体と自治会・町内会はパートナー関係にある倍もあります。ですので、案件によっては動くこともあります。特に多かったのはゴミ捨てですね。

人が関わる以上、好きや嫌いは否めないとは思うのですが、世代間ギャップや後継者不足も相まってカオスな状況である自治会・町内会が多かったような印象です。

とりわけ会社勤めの方が多い地域では、家は寝に帰る場所であり、地域がどうこうに気持ちを向ける余裕はないと思います。普段通りの生活ができればよいのだと思います。日常生活で自治会・町内会に加入しなくて困ることは、あるとすればゴミ捨てぐらいです。ですが、こちらも個別回収の地域であれば関係ないですし、そもそも自治会に捨てるなと言われたところで、その権限は自治会・町内会にはないはずです。ゴミの回収こそ自治体(市)の責務なので、自治会・町内会に加入しない=ゴミを捨てられないとは別次元の話です。ゴミ捨て場の管理を自治会・町内会がやっていたとしても、それ相応の管理費を支払えばよいだけの話です。

余談ですが、ゴミ捨てに関しては裁判も起きています。自治会が非会員に対してゴミを捨てさせない行為に対して、損害賠償及びゴミ捨て場の利用を認める権利を求めて訴訟を起こしたケースです。これに対しては、たとえ自治会に入っていなくても維持管理費などの負担を求めればよく、「非自治会員の利用を一切認めないのは正当化できない」と自治会側が敗訴しました。その後、自治会側は控訴しましたが、高裁でも同様の判決が出ています。

ですので、お住いの地域の自治会・町内会が不用意なストレスになるような組織なのであれば、加入しなくて良いと思います。

このような話をすると自治会・町内会は災害時に役に立つという話を耳にしますし、私も市役所職員時代は、自治会・町内会は共助ですよー。という話をしていました。しかし自分の地域に置き換えてください。自治会・町内会で陣頭指揮を執るのは何歳ぐらいの方でしょうか。その方は災害時に率先して心身ともに動けそうでしょうか。とても失礼な発言かもしれませんが、どちらかというと災害時に要支援者になってしまう方が多かったように私は思えました。さらに自治会・町内会に入っていないからと言って、いざ災害が起きた時に、「君は非会員だから。」と不利益を与えることがあるでしょうか。

確かに自治会が自治会費によって揃えた備蓄品等は自治会員が優先して使われるべきだとは思います。しかし、有事には会員・非会員といったことは言ってられないのではないでしょうか。その人を見捨てるのでしょうか。私はそうではないと思います。

と、考えれば考える程、自治会・町内会に入らなくてよいのではないか?という結論に至りました。

前段が長くなりましたが、結論として、自治会・町内会は加入しなくてよい。と考えています。

・・・とは言いつつもです。ここから現実的な話をします。

私は自治会・町内会に加入しています。散々デメリットを記載しておいてなんですが、加入しています。

その理由は、シンプルにめんどくさいからです。

冒頭から記載した私の思いは事実ですが、それを差し引いてでも自治会・町内会に加入しておいた方が、無用なトラブルを避けれると感じたからです。実際に近隣の人とのトラブルは戸建て住民にとって、致命的であると思います。日々嫌な人と顔を合わせるのしんどいですよね。ただでさえ会社でストレスを溜めて帰宅してもまたトラブルが待ち受けている家なんて最悪だと思います。

ひとまず加入して無難に生活していれば余程のことがない限り揉めることはないはずです。自治会・町内会の年会費は数千円のところが一般的だと思いますが、それで揉め事が回避できるのであれば、安いもんだと思います。

この数千円も許せない!自治会・町内会に絶対入りたくない!という方は入らなくてよいと思います。義務もありませんし、上記に記載したとおり普段通りの生活はできると思いますし、実際に、私の知人にも自治会・町内会に加入していない人もいますし、途中でやめた人もいます。

損得勘定とご自身の気持ちと照らし合わせて判断されるのがベターかと思います。

自治会・町内会ってそもそもなんのためにあるの?

さて、自治会・町内会はそもそもなんのために存在するのでしょうか。

起源を調べてみると論文レベルになってしまうので、割愛するのですが、江戸時代ぐらいから似たような制度あったという説もあります。すごく歴史が長いんですね。昭和の高度経済成長ぐらいまでは、今ほどインフラも発達しておらず、自営業も多く、人の流動性も低く、何世代もその地に住むことから、自分たちの住んでいる地域を自分たちでよくしていこうという概念の元に行動してきた団体であることが推察されます。

現代に置き換えてみるとどうでしょう。インフラが発達し、サラリーマンが多く、人の流動性が高く、核家族が住めるところに住む。自治会・町内会の特性と全く真逆ですね。だからこそ、現代に自治会・町内会という仕組みが馴染まなくなってきているのだと思います。

と、ここまで散々自治会・町内会をディスってきましたが、全く存在意義がないとは言えません。

例えば、高齢者の見守りは自治会・町内会のような地縁組織が行うことで効果を発揮すると思います。比較的ご高齢の方はその地に長く住んでいることが多いです。ですので、●●さん最近見ないね。ポストに郵便物が溜まっているね。と異変に気が付くことができ、万が一があった場合も素早い救助ができるケースがあります。

また、最近流行りのフレイル予防講座なんかも自治会・町内会がやっているところもあります。SNSやインターネットに繋がりを持たない人にとっては、まさしくコミュニティであり、ライフラインになっています。

他にも役所では対応してくれない生活の困り事があった場合、自治会・町内会であれば対応でにるケースもあります。

実際に私は、一市民として、ゴミ捨て場の衛生面での困りごとがあったので、自治会・町内会の方に相談したところ、すぐ対応していただけました。具体的には、ゴミ捨て場のネットが汚いうえにカラスの被害が酷かったので、対策も含めてボックス式のゴミ捨て場に変えてもらいました。

さらにもっと社会的意義のある事例も存在します。

それは空き家です。行政は法律の縛りがあるので余程のことがない限り直接手を出せません。ですが、任意団体である自治会・町内会であれば手段はあります。例として、空き家を自治会・町内会が取得し集会所や憩いの場所に改修しましたケースがあります。これは地域に特化した存在である自治会・町内会だからこそできた事例であると言えます。法律に則った行政でもなく、利益を求める民間でもなく、地域の繋がりを主たる目的とする自治会・町内会だからこそ結果を出すことができたのだと思います。

自治会・町内会は、ニュースやSNS等でよく目にするトラブルやマイナスイメージに目が行きがちですが、根本は自治組織です。当たり前ですが、揉め事を起こそうと思って行動している団体ではありません。自分たちの住んでいる場所は、自分たちで管理していこうと運営しているのが、自治会・町内会という存在です。

自治会・町内会加入のメリット・デメリット

加入する意味のなさと自治会・町内会の存在意義について見てきましたが、ここで改めて加入のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

メリット

  • 地域の知り合いが増える
  • 子供向けのイベントをやっていることがある
  • 有事の際に助け合える
  • 役所が対応してくれない困り事でも相談できることがある

デメリット

  • 付き合いがめんどくさい
  • やりたくない役員をやらされる
  • クセのある人がいる場合がある
  • 退会した場合にトラブルになるケースがある

まずメリットですが、一言で言えば「つながりができること」だと思います。市役所職員として働いていた時はこのように答えていました。実際にそうだと思います。

積極的な自治会・町内会であれば子供向けのイベントをやっているところもあります。盛大にハロウィンイベントをやりました!なんて話も聞きました。また、子供向けのイベントを開催している自治会・町内会もあったりするので、子育て世代にはつながりをつくる良い機会になるかもしれません。

むしろ多くの自治会・町内会も若手を求めているので、やる気さえあればイベントの企画側に回ることができると思います。若手が担い手不足を逆手にとって、自分たちのやりたいことをやる自治会・町内会も存在します。このような自治会・町内会と自分の考えがマッチすると生活を彩るものになって良いですね。

次にデメリットですが、これも一言で言えば、「やべえやつがいたら終わる」です。私も市役所職員時代にしこたま面倒臭い付き合いをやりました。

先述しましたとおり、自治会・町内会と自治体はパートナー的な役割でいる場合が多いと思います。ぶっちゃけたところ、住民の困り事を全て聞いていたら市役所は回りません。無理です。みなさまが思っている以上にすっごい意見が飛んできますし、対応にものすっごく時間が取られます。そうした時に地域のことは地域でやってもらうために、自治会・町内会で解決してもらうパターンもあります。

ですが、やはり人がやることなので、自治会・町内会の中にもとんでもない人もいます。人としてどうなのか。と思うようなこともたくさんありました。たぶん深刻な人手不足からそういう方でも運営側にならないと組織として成り立たない状態なんだと思います。そういう組織は泥舟ですよね。もっとお互いが過ごしやすくなる方法はあると思うのですが、自浄能力を失った組織はそんなもんです。

話が少し外れました。

メリット・デメリットどちらの点から見ても、結局は所属している人によって左右されることが多いと思います。

自治会・町内会のことを事前に調べる方法は?

ここまで来ると自分が新たに住む場所の自治会・町内会がどのようなところか気になりますよね。

事前に調べる方法を3つ挙げてみました。

  • 役所に聞く
  • 不動産屋に聞く
  • 近隣の人に聞く

まず、一番簡単な方法は役所に聞くことです。大抵の自治体では、地域関連の部署があり、自分の住む自治会・町内会を教えてくれます。場合によっては、窓口となる人を紹介してもらえる場合もあります。

ただし、役所はこの住所は●●町内会です。と言った客観的な情報しか教えてくれないと思います。

内部の実情まではわかりませんし、知っていたとしてもお話はできないですよね。

名前がわかればホームページ等を作っている自治会・町内会もありますので、名前を取っ掛かりに調べてみたり、窓口となる人にどんな活動をしているか聞いてみても良いかもしれません。

次のステップは、不動産屋さんに聞くです。

特に町の不動産屋さんをおすすめします。大手ではそこまで深い情報は持っていないケースがほとんどです。町の不動産屋さんは町のことをよく知っています。(どこどこの治安が悪い。どこどこの中学校は勉強に力を入れている等。)自治会・町内会の情報を持っていれば教えてくれるはずです。

最後に近隣の人に聞くです。

これは間違いないです。どういう地域でどういう人がいるのかわかります。むしろその話しかけた人も地域にいる人の一人ですからね。

ただし、ハードル高いと思います。

コミュ力が必要です。私はあまりできる気がしませんが、実際に近隣の人にも聞いたという人がいらっしゃいました。周りの人に聞いた上で、市役所に問い合わせをされてこられた方がいました。正直、その人の方が詳しくなっていて己の無力さを感じました。結局のところ、行動力に勝るものはないと思います。

不要な近隣トラブルは避け、住みやすい居住環境を整えよう!

ということで再度結論です。

冒頭で申し上げたとおり、自治会・町内会は加入する必要はありません。

ですが、特段思うこともないのであれば周りに合わせて加入しておいた方が無難だと思います。

戸建ての購入は人生の中で最も大きい買い物の一つです。不安要素は消していきたいですよね。住宅の購入は手続きが割とあります。住む地域の事は以外と疎かにしがちですので、自分が心安らかに過ごせる環境を整えるためにも事前の入念な下調べをおすすめします。

本記事がより良い住環境の一要因になれば幸いです。ここまでご覧いただきありがとうございました。

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