ガラスはなぜ曇るのか

日常

家や車のガラスが曇ることを見たことがあるのではないでしょうか。

ガラスは透明性と頑丈性を兼ね備えた文明の利器です。

ガラスが無いと、密閉したまま家に光を取り込むこともできませんし、車で高速走行しながら前を見ることもできません。

このように、生活になくてはならないガラスですが、曇ってしまうとせっかくの透明性が失われてしまいます。

曇るとは何なのでしょうか。

ガラスが曇る原因

ガラスが曇るのはどのようなときでしょうか。

冬が多いと感じませんか?

曇らせている成分は、水です。

そんなこと知ってるわと思われるかもしれませんが、現象を一つひとつ確認していくことが大切です。

雨も降っていないのに、その水はどこから出現するのでしょうか?

空気中の水から供給されます。

地球上の空気は、主に窒素や酸素から構成されていますが、水も気体となって存在しています。

沸騰して気体になる水と同じです。

また、空気は温度によって抱え込める水の量が変わります。

温かいとたくさんの水を抱え込むことができます。

といったところで、冬のガラスをイメージしてみましょう。

ガラスの外側は冬で寒く、内側は暖房が効いていて温かい室内です。

温かいと水をたくさん抱え込むことができるので、ガラスの内側の空気の方がたくさんの水を持っています。

冬のガラスを触ってみると、冷たいことがわかります。

水をたくさん含んだ温かい空気がガラスの内側からガラスに接触するとき、温かかった空気は急激に冷やされます。

すると、空気が水を抱え込める量が下がり、溢れてしまいます。

その溢れた水が、水滴としてガラスに付着することが曇るという現象です。

そのため多くの場合、ガラスを挟んで気温差が大きい場合、温かい側のガラスが曇ることとなります。

夏にガラスの外側が曇りにくいのは、風の流れなどで、常に空気が交換されていることが原因です。

室内の空気は、循環しているとはいえ、閉鎖された空間の中での循環であるのに対して、外気は地球全体の空気となるので、無限の体積といえます。

曇りを防止するには

曇る原因は上述しましたが、どのように防げばよいのでしょうか。

温度と水滴が要因であることがわかっているので、その2点から対策できそうです。

▼①ガラスの内側と外側の温度差を無くす(ガラスを冷さない)

この考え方は、車の空調や住宅のガラスに応用されています。

車の運転席前の空調は全面ガラスに向かって吹きつけることができるようになっています。

これは、暖房をガラスに直接吹きつけることで、ガラスの温度を上げることができ、室内の水分がガラスに触れて吐き出されてしまうことを防いでいます。

また、住宅のガラス窓は、2重3重となっているものがあります。

2重となっているガラスの間(中間)を真空にすることで、ガラスの最も外側から最も内側への熱の伝達を抑えているため、ガラスの内側の空気が冷たいガラスに接触することを防いでいます。

このようなコップも①の原理を利用しています。

▼②水滴がつかないようにする

ガラスに水が完全に付かないようにすることは難しいので、水の玉が付かないようにします。

この考え方は、車のガラスコーティングなどに用いられています。

ガラスの上に、半球状に水が付着するために、光が散乱して白く見えます。

光の散乱については、別記事でも紹介しているので、合わせてご覧ください。

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水の形を平面もしくは、より球状に近い形にしてあげることで、光の散乱による白く見える現象を防ぎます。

車のガラスコーティング剤は、撥水させることで、曇りや濡れを防止しています。

ただし、施工部のみの防止なので、内側の曇りはこれだけでは防止することはできません。

終わりに

ガラスが曇るという現象一つとっても、様々な解決方法がわかりました。

何が原因で発生し、どこから解決しやすそうか考えてみると、新たなアイデアも出てくるかもしれません。

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ディン

理系出身、ガジェットとテニス好きのディンです。工学系の内容だったり、自身が体験した内容を綴ります。日々の何気ない気付きや雑学を大切にしています。

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